diary
2019年12月20日(金)
[diary]
いつの間にか年の瀬。お知らせできていないことがひとつありました。5月に友人と共著で金沢を紹介する本『아무날에는 가나자와(ある日には金沢)』を韓国にて出版しました。
友人で、YOUR MINDという本屋を経営し、ソウルアートブックフェアの仕掛け人でもあるイロさんがテキストを、イロさんのパートナーである写真家のモモミが撮影を担当、私はコーディネーターを。普通のガイドブックではなく、イロさんが初めての金沢で感じたことを綴る旅エッセイのようなもの。お店はほぼ私が選出したのですが、今回の本の性質上全てを掲載することが難しく、行けなかったお店もいくつかあるのですが、初めてのことには心残りが付きもの。編集作業も大変ではありましたが、よい本に仕上がったのではないかと思います。
韓国では驚くほど知名度が低い金沢。本格的な金沢関連の旅本もおそらくこれが初めてなので、少しは故郷を知ってもらうきっかけになったら嬉しいなと思っています。韓国の大手書店他、当店でも販売しております。
(日本語翻訳での出版の予定はありません。)
※7月、北陸中日新聞さんが記事にしてくださいました。●
2019年11月21日(木)
[diary]
夜中の雨乃日珈琲店。明朝、エアコンの取り換えがあるので、作業員の方のじゃまにならないように、キッチン側の食器類を中心とした小物をフロアに移す作業。(こうやって見ると意外と物が少ない。)
定位置から一時的に別の場所に物を移す時、決まって思いだすのが、子どもの頃大好きだった絵本『いそがしいよる』。
星がきれいな夜、ばばばあちゃんは家の中にいるのがもったいなくて、ゆりいすを外に持ちだしてお星様をみていました。やがて遠くの森からお月さんも出てくるのを見ると、いっそのこと外で寝てしまおうと考えました。そこでベッドと毛布と枕を、それからお茶の道具も、そしてテーブルやレンジ、しまいには家のものを全部持ちだしてしまいます。
星に魅了されて、気づいたら自分のお気に入りのものと一緒に外に出ちゃってた、といううっかりさんな流れが大好き。
この絵本の内容と、わたしの今晩の忙しない動きは全然違うものだけど、好きなものを大事に持って別場所に移す時、いそがしいよるのおばあちゃんを思い出すんです。
2019年11月15日(金)
[diary]
大好きな音楽家・ニカさんこと二階堂和美さんのご実家は浄土真宗本願寺派のお寺で、ご本人も僧侶である。この度、同じく音楽家である旦那さま・ガンジーさんの継職法要に際し、合葬墓を建立されるということで墓石書体のご依頼をいただきました。
お二人とは雨乃日珈琲店の5周年(2015年)にソウルにお呼びして、お店で記念ライブをしていただいたことがきっかけで、その後交流が続いている。
ご自宅のリビングには私の個展のチラシを貼ってくださっているとのことで(嬉泣)、いつも見ていて馴染みがあるし、繋がりのある人にお願いできれば嬉しいと、この度のお声を掛けてくれました。
ガンジーさんの節目に際してと思うとそれだけで緊張が走り、さらにお墓の文字はきっと間違いなく、自分がこの世からいなくなった後も存在し、後世の人々が目にするものとなる。墓石の揮毫は初めてではないけれど身の引き締まる思いの制作でした。
上記の完成写真がニカさんから送られてきたのは先月の中旬。そして今月の金沢帰省時にたまたまもっきりやさんでライブがあるというグッドタイミング!ライブを堪能後(毎度ニカさんの表現に号泣)、ニカさんに原本をお渡ししたら、無言の、長くて強いハグで返してくれた。周りの大切な方が喜んでくれることが私の制作の原動力、表現の根本にあるものなんだと思う。
2019年11月11日(月)
[diary]
事後報告で申し訳ないのですが、11月2・3日に金沢のしいのき緑地で行われたイベント 「雲と、雨と、石垣と。」に 雨乃日珈琲店も出店致しました。チョガッポ(ポジャギ)や真鍮スッカラを韓国の古いものから、韓国のおばちゃんたちが履いているポソンという派手派手のあったか靴下、韓国インディーミュージシャンのCD、同人誌『中くらいの友だち』(夫は執筆で、私は扉題字で参加。全国の味のある書店さんで広くお取扱いいただいております!)などなどを販売しました。
韓国の文化的魅力をお客さんにお伝えしながら接客することがとても楽しかった。またこのような機会があればと思います。
2019年2月17日(日)
[exhibition]
池多亜沙子 書展
2019年3月2日(土)ー10日(日)火曜日休み
12:00-18:00
会場/Kit 2F (京都市上京区信富町299)
企画/Kit
土日在廊
手漉き和紙(ハタノワタル)、春の中国茶(西荻窪・サウスアベニュー)の販売もあります。
詳しくは→http://kit-s.info/events/4288
…………
二年に一度の京都個展。故郷の金沢より展示の機会が多い京都では、新作を揃えるようにしておりますが、今回はここ一年集中して向かっている前衛の作品も数点展示いたします。書では臨書と呼ばれる古典の習熟が何より大切と考えますが、古典・先人の精神を染み込ませた身体で、勝手のわからないことをしながら自己解放、文字の約束から少し離れ、知らない自分に出会えたら面白い。
先週は東京国立博物館で顔真卿の世界に浸かりましたが、京都国立博物館では斉白石展が開催中のようで、そちらも楽しみです。
春の京都でお待ちしております。