ikeda asako

diary

2020年9月13日(日)

梅雨から秋へ

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写真は8月中旬、雨乃日珈琲店からどしゃぶりを見る。

今年はひじょうに梅雨が長く、8月中旬に明けるまで54日間も続いた。観測史上最長だったそうだ。そのせい(お陰)か、夏にしては過ごしやすい気温が続き、梅雨が明けたら明けたで、既に朝晩は秋の気配でひんやり。夏がとても苦手の秋好きとしてはありがたい季節の流れ方。しかしその後の台風の影響か、頭が痛い。身体もだるく、集中力もない。年中雨ばかりの金沢で育った割に、低気圧の影響で体調を壊したことなどなかったのに。風土の違いによるものなんだろうか。

10月下旬からソウルで展示があるため、制作の山場を迎えているにも関わらず、心身が鉛のように重たく、なかなか集中することができなかったので、懐素の自叙帖で臨書ばかりしていた。狂草を書くことは、今の自分を高ぶらせるのにちょうどよかった。

さて、コロナ。

韓国は「社会的距離確保」の防疫措置を❛2.5段階❜というレベルに引き上げ(なんだか曖昧な数値…)、飲食店営業についても提示されたルールに従わなければいけなくなった。席間の距離、営業時間(21時まで)、ご来店の方のリスト作成(記帳か専用アプリでQRコード読み込み)などなど。私たちのような小さなカフェは大丈夫だけれど、チェーン展開する大手のカフェなどはテイクアウトのみとされ、店内での飲食は厳禁。マスクについては、2.5段階に引き上げられる前から屋内外問わず義務となっているので、引き続き絶対着用。

当然、当店もお客さんが減ったのだけれど、それでもぽつぽつとご来店がある。一口飲んではマスク、一口食べてはマスクという見えないものに気を張る光景に、コロナ禍というのは明ける時が来るんだろうかと不安になった。

先ほど韓国政府から、明日の14日からレベルを❛2段階❜に緩和すると発表があった(0.5ダウン!)。スタッフを雇っているカフェや、夜のみ営業の飲食店など、経済的にダメージを受けているお店に活気が戻ると思うとホッとする。

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2020年7月29日(水)

『暮しの手帖』の火

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最新号の『暮しの手帖』が届きました。いつも編集の方の添え文に温かい気持ちになる。

題字を担当している岡本仁さんの連載「また旅。」、今回は奈良美智さんと旅という特別編。開くと、昨年9月の北海道一人旅で訪ねた、飛生芸術祭のTOBIU CAMPで見た炎が飛び込んできて驚いた。あの日、芸術祭のイベントのひとつで、岡本さんと奈良さんがそれぞれ好きなレコードを持ち寄ってのトークショーは、満員で聞くことはできなかったけれど。

自分が撮影した炎の写真と、誌面を照らし合わせながら不思議な気持ちになった。

炎を見ている時は、この連載の題字を担当することも決まっていなかったし、尊敬する奈良さんと誌面でご一緒できるとも思ってもみなかった。心から嬉しい。

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2020年6月4日(木)

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\\\梅/// と表さんばかりに、ピカピカの箱に入って届いた今年の青梅。毎年、お店の梅ソーダ用にたっぷり仕込むため、すっかり韓国生活の歳時記となりました。奮発して上等の無農薬梅を今年は15㎏。去年は灰汁抜きの時間が短かったためか、少し気になる感じがあったので、しっかり水に浸してから作業。韓国の方は飲むためだけではなく、調味料として幅広く梅シロップを使うので、この時期は日本以上にスーパーに梅や梅仕事グッズがずらっと並んでいます。私も倣って、ジョン(チヂミ)のたれを作る時にちらっと入れたり、ナムルや佃煮、時にはみりんのように煮物に使ったりと、欠かせない調味料のひとつとなりました。

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2020年6月3日(水)

民画展「書架の風景」

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ホリムアートセンターで開催中の民画展へ。数年前もここで民画の展示を観たけれど、今回は19世紀後半から20世紀前半の、冊巨里(サッコリ)と文字図に絞った構成となっていた

’冊巨里’とは、本棚はなく本と他のものを一緒に描いた絵、’冊架図’は、本棚に本や文房四宝、陶磁器、花、果物などが描かれたものですが、それらの掛軸/屏風を総称して’冊巨里’となっているようです。

自由な装飾に独特の遠近法、古い文房具、本の綴じ方、色などなど、近くでじっと見ても遠くから構成を眺めても面白い。

’文字図’は、悌・忠・信・禮・義・廉・恥の八文字や、百壽百福を装飾的に描いた屏風が数点展示されていた。

ホリムアートセンターは度々訪れるのだけど、来館者が多くないためゆっくり鑑賞することができる。(施設にとってはいいことではないかもだけど…)昨年12月に観た「高麗時代の写経と同時代の小品陶磁」も素晴らしかったけれどやはり私しかいなくて、「フムー、フムー」「いやー、これは…」「すばらしぃ~」と自由に唸りながら堪能した。

「書架の風景」の後は、花鳥画、山水画と二度テーマを替えながら、今年は民画だけの展示を予定しているホリムアートセンター。日本の民藝好きの友だちにも観てもらいたい。早く韓日の行き来が復活しますように。

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2020年5月29日(金)

庭の部屋

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韓国に移住後すぐに住んだ家は、6年を過ぎようとした頃にAirbnbにしたいからと大家さんに追い出され(!)、二週間ほどで今の家に引っ越し、今年で3年目。がっしりとした3階建てのシェア住宅で、4世帯程が入居しているのだが、私たちの所は大きな庭に面しているので’마당방’(庭の部屋)と呼ばれている。住宅には入口が複数あり、この庭を通るのは真上に住む、母ぐらいの年齢の一人暮らしのご婦人か私たちぐらいなので、その方と仲良く庭を使っている。

これはなんだろう。グミのようでグミではない…

柿の木、菜の花、芍薬、木蓮…今の時期は午前中にムラサキツユクサが可愛いらしく咲き、カササギの鳴き声で目が覚めれば、ここはほんとに都会なんだろうかと不思議になる。雑草取りは都会育ちではない私にとっては癒し効果があるようで、疲れている時ほど無心になって取っている。

90年代に建てられたこの家は、新しいものを好む韓国の方にしてみると「古い物件」なので人気はないのかもしれないのけれど、異国の、少し時間の絶った建具や天井照明は、私たちからするととても魅力的だ。前よりもずっと広くなったのも嬉しい。この家にタイミングよく引っ越すことができてよかったと、窓の外の緑を見てつくづく思う。先日は上階のご婦人から「身体にいいからたくさん食べて」と、育てられたサンチュを袋にいっぱいただいた。

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