2017年4月20日(木)
雑誌『中くらいの友だち 韓くに手帖』創刊
韓国を語らい・味わい・楽しむ『中くらいの友だち 韓くに手帖』が創刊されました。
執筆は、在韓日本人、在日韓国人、韓国に関わる面々で、文化を真ん中に語らう新しい雑誌です。
以下、発起人の作家・伊東順子さんの創刊の言葉です。
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『中くらいの友だち』へ
今から二十年ほど前、ソウルで暮らす日本人と在日韓国人で『ソウルの友』というミニコミ誌を出していたことがあります。『ソウルの友』とは、ソウルの友だちであり、ソウルで出会った友だちという意味。今回はさらに踏み込んで、『中くらいの友だち』としました。
「中くらい?」
そうなんです、最高でも最低でもなく、中くらい。時にはとてもカッコイイこともあるが、こいつダメかも……という情けない面もある。でも、長く付き合えば、まあそこそこ良い奴だよね――この雑誌は、そんな韓国のお友だち本です。
創刊を思い立った理由はいくつかあります。
1 まずは、日本では政治やイデオロギー、あるいはスキャンダルで扱われることの多い韓国ですが、そこから少し離れて、文化を真ん中にして語り合いたい。
2 また、ネットの世界からしばし暇をいただき、丁寧に物事を考えるために、紙の本がほしい。
3 売らんがためではなく、自由に書けるメディアがほしい。ならば、自分たちで作ってしまおう。
本書は「同人誌」の形でスタートしました。特定のテーマを決めて分業するのではなく、それぞれが自分の原稿を持ち寄り、一冊の本にまとめました。 執筆者は在韓日本人、在日韓国人をはじめ、家族や仕事の関係などで長く韓国と付き合ってきた面々です。秘めやかなる個人的な楽しみ、心を震わすような感動、あるいは人生観を変えるほどの衝撃体験まで、とても個性ある本ができたと思っています。
韓国を楽しみ、味わい、語り合う。対立を砕いて共感のかけらを集めましょう。驚きと笑いを肥やしに、中ぐらいを極めます。世界中が対立的になっていく中、私たちは友だちを大切にしたいと思っています。
『中くらいの友だち』同人
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グッとくる創刊の言葉、何度も何度も読み返しています。
韓国の先輩方の隅っこで、恐縮ながら私も同人として扉文字で参加しました。
韓国移住前から仲良くしてもらっている、雨乃日珈琲店の斜め向かいの「cafe suッkara」のオーナー、キム・スヒャンさんの伝統野菜料理の話も、90年代から韓国で活動しているミュージシャン、佐藤行衛さんの韓国ロックとの出会いも熱量高くて読み応えたっぷりです。(佐藤さんは会うたびにすごい勢いでロックやレコードについて語るので、陰で「勢いの人」と呼んでいる。)
オットは韓国で出版した『韓国タワー探求生活』の続編を執筆。
ネットでも購入可能ですが、取り扱い書店さんがどんどん増えているようなので、出先で見かけましたらどうぞ「おや?」と気にかけてくださいませ。おすすめは西荻窪の「旅の本屋 のまど」さん。今すぐどこかに出かけたくなってしまうような、心躍る旅本がずらりと並んでおりますよ。
韓国を語らい・味わい・楽しむ
『中くらいの友だち 韓くに手帖』 (皓星社)1000円+税 年三回発行予定
雑誌、買い求めました。
確かに内容も本のつくりも「やさしい味わい」。
タイトル字も、フィットしています。